「ハジメテが──…、こんな男でホントにゴメンね」そう言って私に触れる指先からは、抜け出せなくなるほどに甘いシェリーの香りがした。※必ず「はじめに」をご一読下さい。

時を越えて知る、生きる事の本当の意味。何気ない日常、笑い合った日々。──…ありがとう。あなた達に出逢えて、本当によかった。……あなたに恋して本当によかった。

寡黙で無表情、冷静かつ聡明。だけど本当のあなたの顔は、際限なく甘くてどこまでも小聡明い──怖いくらい狡猾な人。

揺れて溺れる。──遠い海鳴りを聞きながら。

君といつも話すのは、移動教室の廊下の途中。

──…花に委ねた君への想いが、今日も澄んだ空を駆け巡る。あの、鳥影を追うように。