トピ

#820[黒崎海] 
　午前の緑茶様

　こんにちは、受け付けていました批評が一部完成いたしましたので書き込みいたします。
なお、今回は何度かに分けて批評させて頂きました、なるべく読みやすいように致しましたが、わからない箇所やご質問などありましたら遠慮なく仰ってください。
　また、辛口批評ですので、気分を害されることもあるかもしれません、その点はご了承くださいませ。

　今回はページからページまで読ませて頂きました。
まだ物語の序盤ですが、『これこそファンタジー』、まさにラブ・ファンタジーの王道を行く作品だと感じました。

異世界に飛ばされたヒロインと、王子様的立ち位置のキャラクター、世界観が壮大であり背景描写もイメージしやすく、ファンタジー小説が初めての方もスンナリ物語の世界に入り込めると思います。

　ですが、キャラクターの言動など、端々に違和感や読みにくさを感じたのも事実です。

　最初に、プロローグが長すぎます。
本来、プロローグとは物語の始まり、どんな話が始まるのかを暗示する部分であり、短く簡潔に、読者に『どんな話なのだろう』と期待させ惹き付ける役割があります。

本作のプロローグは、既に文中に主人公や友人の紹介や異世界に飛ばされる前に主人公がおかれていた境遇などが書かれており、プロローグではなく起承転結の『起』の部分に入るかと思いましたし、もう少し書き込めば立派に1章となるのに、と勿体無く思感じました。

　話の入り込みがあまりダラダラ長すぎると、そこで読むのを止めてしまう方もいます。

　また、作中において所々『おかしいな？』と思う部分もありました。まず、プロローグの中からですが、主人公の置かれている境遇についてです。

　大金を残したまま両親が出ていった、とのことですが、それは中学二年生の時で、主人公はまだ未成年であり義務教育中です。
いくら大金があるといっても、中学生の子供が保護者不在のまま、しかもそれ他者に知られず生活し進学できるとは思えません。
彼女には両親以外に保護者的な存在、例えば祖父母などがいれば可能ですが、文中にその存在は書かれていません。

　小説の中に現実にはない設定を出すこと事態特におかしい事ではありませんが、一見して『これはないだろう』と思われてしまう設定にしてしまうと、その後の話事態が嘘臭い物になってしまいます。
また、両親がいないことを親友である早苗にも話していないとの事ですが、なぜ、早苗に知られると『嫌われてしまう』と思うのでしょうか？

　『両親がいないなんてありえない』などの言動が早苗にあれば別ですが、文章からして主人公に両親がいなくても拒絶するような様子はないように思えます。
反対に、主人公を気遣い支えになろうとするのではないでしょうか？

　また、主人公が異世界に飛ばされてからの事ですが、お城の描写、馬に乗ってくる「王子様」の描写ともにひどく曖昧です。
『欧米的なお城』←西洋的なお城、の方がしっくりくるかと思います。『王子様な白い服』これだけでは、読者一人一人持つイメージはかなり異なってきますし、そもそもイメージもしにくいのです。（ディ○○ーに出てくる王子様も、各作品でかなり服装や容姿は違いますよね？）
午前の緑茶様の中ではそれぞれキャラの容姿や服装などイメージの固定ができているとは思いますが、読者側はそれを文章にして出してくれないと何もわかりません。
結果的に、ボンヤリとした掴み所の無いキャラとなってしまいます。

　描写が足りないのは他の個所でも多々目立ちます、例えば主人公とルイが嵌めている指輪の描写ですが、Ｐ２１、「良く見てみてみると彼のものの方が少し宝石が大きく台座のデザインも違っていて」とありますが、そもそも主人公の指輪のデザインがどういったものかの詳細な描写がないため、ルイの指輪とどう違うのかがわかりません。
わかるとすれば、「クラウンを模している」ことくらいです。

　また、ルイと遭遇した後の主人公の言動にも多少の違和感を感じました。
主人公は突然今までの生活とは全く異なる場所、つまり異世界に来て、夢の中での遭った人物が目の前に現れたわけですよね？
まだ１６歳の女の子が、取り乱しもせず、多少呆気にはとられながらも相手に名前を聞いたり、素直に城までついて行くでしょうか？
Ｐ２５で「人間の順応性は…」とありますが、順応性以上にどうも話が出来過ぎな感が否めませんでした。

　話が出来過ぎ、と思われる理由はもう一つあって、まだ話は序盤ですがルイ以外にもハルトとイヴァンという人物が出てきます、そしてこの国についての説明が入りますが、あまりにも主人公が話の呑み込みが早すぎ、激変する環境や人に慣れやすいのです。また、Ｐ４７～Ｐ４９は完全にイヴァンの一人語りであり「説明文」ような感じがしました。
　台詞ばかりなのもバランスが悪いですが、地文で１ページを占めてしまうのも読者にとっては読みにくく、何より印象に残りません。地文と台詞をバランスよく取り入れてこそ、物語の世界に入り込みやすくなります。

　そして何より思ったのが、時間軸はどうなっているのか、ということでした。先にも話しましたが、主人公は異世界に飛ばされたばかり、まだ右も左もわからない状態です。

　もし、午前の緑茶様が同じ立場になったらどうでしょうか？
元いた世界に帰ることはできない、ここで結婚して妃になれ。
そう今会ったばかりの者に言われ、その後冷静にこの世界の説明や魔法についてなどを長々説明され、理解して納得することが出来るでしょうか？
これが、飛ばされて数日経ち、主人公がなんとか落ち着いた頃なら話は別です。

　プロローグから４章までを読んだ感想は、話の進行を早くしようとしているあまり、情景、気持ち、人物描写が少なく話が主人公が「出来過ぎている」ということでした。

全体を通しての感想は、すべての批評が終わってからと致します。
残りは後日あげたいとおみますのでもう少々お待ちくださいませ、なお、ご質問など御座いましたら遠慮なくおっしゃって下さい。まず、プロローグから４章までの批評を終わります。　

2014-06-29 22:13

#821[午前の緑茶] 
黒崎様､此の度はお忙しい中にも関わらず､批評コメントを戴き有難う御座います｡此方も批評への意見は全ての批評が終わってからとさせて戴きますが､黒崎様の批評が的確でとても次が楽しみとなって居ります｡
引き続き､どうぞ宜しくお願い致します｡

2014-06-30 09:13

#822[黒崎海] 
午前の緑茶様

　こちらから失礼します。
批評を続けようと思ったのですが、作品を消されてしまったのでしょうか？
批評を継続するかどうか、ご連絡ください。

勝手で申し訳ありませんが、来週の月曜日までにご連絡頂けない場合、一度批評をキャンセルさせて頂きます。

以上、よろしくお願いします。

2014-07-02 08:24

#823[黒崎海] 
午前の緑茶様

月曜日まで待ちましたが、作品は復活されず、連絡もありませんでしたので批評はキャンセル致します。

2014-07-07 07:41

#824[黒崎海] 
南万葉様

　批評の第一段が完成致しました。
読んだ感想としては文章量は比較的少なくスラスラ読み進められます。振り仮名もついている所が、始めて読む方もわかりやすいのかな、と思いました。

ですが、文章量が少なく読みやすいが故に描写不足や時代背景にはそぐわない場面があったことも確かです。

設定は幕末ですが、登場人物達の考えや物言いはひどく現代的で、読み進めれば読み進めるほどに違和感を感じ得ませんでした。
以下でその理由、また描写不足な箇所を説明致します。
きつい書き方をしているかもしれませんが、どうぞ最後までお目通しください。

　まずは夕霧が塾を始めて訪れるシーンですが、夕霧が見ているはずの建物の外観やそこで始めて会う人物の描写が不足しています。
塾がある場所は田舎なのでしょうか、それとも町中なのでしょうか？
周囲にはどんな風景が広がっているのか、人通りは多いのか、少ないのか、そして塾はどのくらいの規模があり、外見はどうなのか、殆どと言っていいほど書かれていません。

これは、人物描写にも言えます。

『少し日に焼けた顔に、きりりとした瞳。顔は面長で、まるで馬みたいだ』最初に出てきた人物の描写がこれですが、出てくる情報は肌の色、瞳、顔の形、これだけです。

体つきに表情、着物の柄や声の調子等々、文章に表せる情報はたくさんあります。
今の状態では読んでいる側がキャラを想像するために必要な情報が少なすぎます。

南様の中ではキャラの顔立ちや体格、細かな表情などイメージ出来ていると思いますが、読者はそれを文章で表してもらわなければ何もわかりません。
曖昧な背景に顔のわからないキャラクター、南様はそのような小説を面白いと思って読み進められますか？

次に塾内に入ってからですが、『何人もの塾生が集まっている』と書かれていますが、人がいる気配が文章からまるで伝わってきません。
人が大勢いるならば、会話している声や周囲を誰かが歩いている気配がしてもいいものです。
ここも描写が足りないと言わざるを得ません。

そして夕霧が吉田松陰と会話をする場面『何がしたいのか、何を学びたいのか』を問われてゆうぎりは戸惑いますが、そこにかなりの不自然さを感じました。
何故かといえば、ここは私塾であり、身分分け隔てなく入塾できる場所です。
そしてこの時代、身分関係なく学べるの場所は今と比べ物にならないくらい貴重であり重要なものです。
とすれば、あらゆる社会階級からあそれなり頭もよく、志も高い人々が集まるのでしょう。何を学んで何をしたいのか、それすらもわからない、説明できない人物をどうして松陰はアッサリ入塾を許可したのでしょうか？

夕霧が女性だからでしょうか？それとも、この塾は『入りたい』と言えば取り敢えず誰でも入塾できるレベルの場所なのでしょうか？

現代で言うならば、会社の面接試験で志望動機を聞かれて『わかりません。入社してから考えます』と言うようなものです。

また、夕霧は一人で塾へきて入塾を願い出ましたが、この時代でそれは難しいと思います。
　なぜなら、この時代は物事の決定権は個人ではなく家の家長、つまり夕霧の父親にあります。
娘である夕霧が父親の承諾も得ず、単身塾に乗り込んで入塾の許可を得るなど、ましてや松陰がどこの誰ともわからぬ夕霧の入塾をすぐに許すなど有り得ません。

夕霧の父親が秘密裏に松陰に接触し、後で娘が来るから入塾させてほしいと依頼したならば別です。

　まだ序盤までしか読んではいないのですが、その序盤が私にとっては違和感の塊でした。
夕霧と高杉の、他の塾生との会話から夕霧が川に落とされる所まで。
時代背景的にないな、と思わせられるところばかりです。

まだ武士と言うものが存在している時代、男尊女卑が当たり前の時代に女性が男性、しかも武士の身分である男性を名前の呼び捨てになどできませんし、男性が女性を冗談でも川に落とすなど考えられないのです。

昔に水着はありません、着物は速乾性ではないでしょう。
とすれば、夕霧はずぶ濡れのまま家に帰らなければなりません。
それは女性に対する辱めです。

　確かに松下村塾は身分問わず入塾できるところでしょう。
しかし、周囲は士農工商の区別があって当たり前、男尊女卑が当然、こんな世界です。

時代背景を全く無視した話ならばいいのでしょうが、幕末と言う実際に会った時代、実在した人物をモデルにして書くのならば、その時代の習慣や身分が違う者同士がどう関わっていたのか、ある程度正確に書き込まないと、現代の感性を持った人間が幕末という舞台で行う演劇、所謂『幕末風味』の作品になってしまいます。

松下村塾の中では『身分の区別』は無いでしょう、ですが身分の区別がない＝男女平等ではありません、二つは全く別のものです。
そして男女平等は女性が男性に対して馴れ馴れしい言動をしてよいという物ではありません。

夕霧の高杉達に対する言動は、この時代からしてみるとひどく無礼なものです。

　場所は変わって夕霧が萩城下に立ち寄った時、長屋の子供がけがをするシーンです。
文章の感じからして、ここは城下町のメインストリート、つまり賑やかな大通りなのでしょうか？
それならば、そこに破落戸が住む長屋があるのは変です。

城下町は身分で区切られ（侍・商人・町人といったように）整備されているのが普通です。
時代劇にもありますが、普通大通りは商人町、店屋が軒を連ねている活気のある場所です。

そんな場所に長屋、しかも比較的身分の低い破落戸と呼ばれる人間が住む長屋があるはずはないのです。

ここが所謂「スラム」と呼ばれるような場所、奥まった小路のような場所でない限り、このシーンは有り得ません。

まずは１章までの批評を書かせていただきました。ご意見などありましたら、お気軽にお声掛けしてください。では、継ぐの批評が終わり次第、またこちらに書かせていただきます。

2014-07-09 00:05

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