だんだん自分が消えてゆく
兄貴のように作家になりたかった。夢をあきらめ、不器用に家族のために生きた。家族に愛され、嫌われ孤立し、懸命に生きた。60過ぎた頃、やつが忍びよってきた。それに怯えながら家族を守り、生きた。